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NO.401 モーリスF-12(72年の寺田製)

2022年度最後のご依頼は当店一番のお得意様のÝ君からのご依頼です。

またまたお安いのをゲットしたとのことで、送料の方が高かったというモーリスのF-12で外観は奇麗な72年の寺田製(ロッドカバーにTERADAの記載)なのですが、ブリッジピンがないので付けて欲しいと聞いていたのですがそれだけやなくてブリッジも完全に浮いていて”なんやまたジャンクなのを手に入れたんや~”と思いながら何せ値段が値段なのでそれは文句も言えんね~ということで、普通だったら修理代の方が高くついて安物買いの銭失いになるところですが、私にとっては息子のようなÝ君からのご依頼ということで、何時ものように採算度外視で何とかこの50歳のF-12を直してみたいと思います。

ブリッジが半分くらい浮いておりましたので熱を加えてへらを温めながらゴソゴソとやりながらブリッジがを剥がして、接着面の端に残った塗装跡も奇麗に削ってブリッジを張り直しました。

ブリッジ周りのお腹も膨らんでいたので内部を診てみるとお約束のブレーシングも浮いていたのでこちらも接着(ブリッジ接着より先に)しました。

ブリッジを接着させている間にペグをバラしてオーバーホールしたりロッドを外してグリスを塗ったりフレットを磨いたり、サドルを牛骨で作り替えたりとと出来ることはやってフルコースでございます。

初期のモーリスの個体で時折見る作りのネックブロックの斜めの梁があって廉価版なのに気合が入った作りになっていて50年経っているのでボディーが軽くなっていて復活したら良い音が鳴りそうな予感がします。(Ý君に後で聞いたところネックが良い感じのVネックでその瞬間にアタリの個体の予感がしていたとの事でした⁈)

翌日にブリッジがしっかりと接着されていることを確認して、Ý君持参のダダリオEJ16を張って鳴らしてみるとやはりFタイプなのにとても良い感じで鳴ってくれて、少々お腹が張ってはおりますが弦高も低めに調整出来て仕上がってくれました。

Ý君が取りに来る間に時間があったので少し色目の薄いブリッジと指板が安っぽい感じだったのでÝ君と相談して(私の趣味で)ブリッジと指板にオイルフィニッシュ(ダークウォルナット)を塗って少し色が深くなって艶が出て高級感がアップしてとても安物(値段は恥ずかしいので秘密ですが…)には見えない鳴りの良いF-12に仕上がりました~


Ý君に仕上がったF-12を試奏してもらってこれは当たりの個体やなーとお互いに感心していて私のお気に入りのF-18(飯田製の)と弾き比べもしてÝ君のF-12は良く鳴っている上にサイドバックマホガニーらしい丸みのある響きに対してF-18(サウンドポート仕様)(写真右下)はローズ系(板目の派手な多分トーグ材)のやや角の立ったきらっとした響きでどちらも良く鳴ってはいたのですが、それぞれの材の特徴が出た鳴りをしておりました。

やはりÝ君が最初に感じた寺田製でネックのVの感じがアタリの予感がしていたというのもまんざらでもなかったんやな~と思いながら、やっぱり70年代初期のモーリスの面白い所が造ってたのが本家と寺田&飯田製で私も今まで30本以上持っておりしたが、本家のより何故か寺田製と飯田製にアタリというか弾き易かった個体が多かったような気がしていて特にネックの感じが私の好きなVが掛かった握りやすいシェイプが多いので未だにその年代のFタイプのモーリスを探したりしますが、同じモデルなのに自社以外のメーカーで造られていたり微妙に作りが違っていたりするところが面白かったりして、同じ年代の古いヤマハなんかだったら会社の規模が違うのでそういう事もないしFGだったら平均的にヤマハっぽい音がしたりしますが、その辺りは古いモーリスの方が個体による違いがあったりするのでそういうのもひっくるめて何故だか古いモーリス(安~いの)が好きなのです~

Ý君もそのことを良く知っているので、今年新品のÐ-28を買ったというのになんでF-12ゲットしたん?って聞いたところやっぱりÐ-28は外に持ち出ししにくいし、持ち出しやすいF-12をゲットしたとのことでした。

入手した時はフツーにジャンクやったF-12でしたが予感したと通りのアタリのF-12になってよかったねー。

どうせ飽きたらすぐに売ると思うけど暫くの間は手塩に掛けたF-12を可愛がってあげてね~。

また来年も良いギターゲットしたら見せに来てね~<(_ _)>


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