とても良い状態の黒ラベルのF-150Fです。
サウンドホール内の薄ーい刻印40628なので74年製の個体ですが殆ど弾かれていなかったような外観で当時のままのような状態なんですが、ボディサイドにやや深めの縦傷があったのを補修してサドルが樹脂製だったのを牛骨に替えて(この時代のFGってサドルが普通のより10ミリくらい長いので厄介…)弦高も低く(6弦12Fで2.2ミリ)してとてもや弾き易くて50年近く経ったものとは思えない状態でボディも軽くて乾いた鳴りが気持ち良い感じに仕上がっております。
昨年末にEさんに購入頂いた同じ150Fがとても良かったので黒ラベルのを探していたのですが今回のも良くてグリーンラベルからややネックがスリムになって武骨さは少し抑えられてはいるもののより洗練された感じで、赤ラベルから続くヤマハFGのある意味完成形⁉な黒ラベルなのですが、何故か当時は余り売れなかったようで(オイルショック&物価高騰も影響…)1年未満の製造に終わった不遇のFGみたいな存在で今まで敬遠していたのですが、実際には良い状態の個体(たまたま運が良かっただけ⁈)に当たっているので球数も少なめではありますが、これからも黒ラベルは探してみたいなぁと思っております。
黒ラベル後のオレンジラベルになると少しスリムなデザインに戻ってヘッドの形もバルタンではなくて赤ラベル期の形になってすっかり様変わりしてシャリーンとした軽めの今風な感じになったので、まぁその辺は好みなのでどちらがどうこうとは申しませんが70年代前半と後半でコンセプトが随分と変わったのだなぁと感じるところではあります。
とっても状態が良くて当時の時代に戻ったような感じが味わえる乾いた鳴りの150F如何でしょうか。
本体のみで25,000(税別)でございます。
続いて2本目は同じくヤマハのフォークサイズFS-720です。
こちらも状態良くて元々弾いていないアコギを診て欲しいとの事で来店いただいたのですが、独身の時に買って今は小さなお子さんがおられるお母さんなのでギターを弾く時間がないのでかなり悩まれたのですが、調整してまた弾かなくなるより何方かに使って頂ける方がこのギターには良いと思うとの事で引き取られてもらいました。
最近のヤマハは昔のウエスタンボディがFG、フォークボディがFSと名称を分けていますがFS-720は現行の830シリーズになって殆ど同じような仕様でヘッドのバインディングが入ったのとスキャロップドブレーシングになっているみたいで、トップは単板になったりと昔のFGに比べて時代と共にFGも様変わりしているようです。
元々余り弾いていなかったとの事で奇麗な状態でしたが、ネックがやや順反りしていて弦高が6弦12Fで3ミリちょいの状態だったので、ネックを真っ直ぐにしてサドルを少し削ってピカピカの状態でとても弾き易く調整しております。(ピックガードのビニールも付いていたので剥がすとピカピカのが現れました!)
先の150Fと比べてこちらの720は鳴りの方は若く、おとなし目ではありますが年月が経って単板なので黒ラベルのような乾いた鳴りになっていくのか⁈と楽しみな部分があってこれからが楽しみな所ではあります。
720のオーナーさんは美術の先生をされていて、落ち着いてまた先生に復帰して自分の時間が少しは作れるようになったら生徒さんとギターを演奏してみたいそうで、一旦この720とはお別れですが何方かに使って貰ってまた良いのを探しに来ますとのことでいつか来るその日の為に良いギターを用意しておきますのでその際にはよろしくお願いいたします。
年代の物FGと今どきのFS、新旧どちらもリーズナブルではありますがしっかりと鳴っておりますのでとてもお奨め出来るギターでございます。
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