ご近所にお住いのS様から歴史を感じるヴィンテージギブソンL-3のピックガード取付けのご依頼を頂きました。
元付いていたピックガードの取付けボルトが折れているので直してほしいとのご依頼でかなり年期の入ったハードケース〔これもオリジナルの年代物⁈)を開けますと田舎のおばあちゃんの家のようななんとも懐かしい臭いが漂っておりまして凄いギターがやって来ました。
オーナーのSさん曰く、1928年製の推定年齢93歳で今までの中で最高年齢の希少なギブソンをメンテナンス出来ることに感激するとともに雰囲気を損なわないようにピックガードを取付けようかとオーナー様と相談しながら試案してみました。
元はボディエッジに付けられたステーから細長いボルトがピックガード裏に伸びて取付け部にネジ込まれていてそこからボルトが折れていたので、その部分をカットして真ん中に穴を開けてレスポール方式の取付け方にしてみました。
ボディエッジに付いていたオリジナルのステーにL型のピックガードにつなげるステーを色々探してみたのですが(ホームセンターとかで)良いのが無くて、お店にあった違う用途で使っていたものが良い感じだったので(何かは内緒です…、オーナー様には言いました)それを流用しました。
写真ではわかりにくいのですが、このステーとネック端の(17Fと19F)にピンが二本出ていてそこにピックガードに開いている穴に差し込んで固定するようになっています。
ピックガードが1弦に干渉しないようにするためにステーの角度をあれこれ曲げながら良い感じの位置に取付けました(ピックガード少々歪んでいるので位置決めが簡単なようで意外と手間取りました。
ピックガードの裏に出ているボルト・ナットがボディに当たって傷つかないようにナットをスポンジで覆って小技を利かせました。
ピックガードを取付けて弦を張ってみますとお世辞にも激鳴りするようなギターではありませんがどこか懐かしいくて泥臭いこのギターにしか出せないような包み込まれるような弾き心地がとっても心地いいのです。
ほんと100年近く経つギターにしては状態が良くてたぶんオリジナルであろうペグとか少々固かったり(給油して少しましに)しますがちゃんと使えるっていうのが凄いなってギブソンの歴史を体感しました。ヘッドのスプリクトロゴもカッコイイですね!
私のお気に入りのマルハと雰囲気が似ていたので並べてみました。
どちらも年期の入ったギターですけどまだまだ現役で使えますね。
この度は希少なヴィンテージギブソンに出会えましてSさんに感謝いたします。
フレットも結構擦り減ってたみたいですり合わせ等ご必要の際はまた再会してみたいとっても味わいのあるL-3でございました。
またのご依頼をお待ちしております。
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