CAT'S EYES CE400に続いてギターマニアの高校生のY君がゲットしたJUMBO-60を持って来てくれましたので紹介します。
JUMBOと言えば70年代にマーティン研究家として知られている田原良平氏が立ち上げたブランドで以前に所有していたJ-25も廉価版ではありますが、トップ単板でとてもしっかりと鳴る個体でした。
こちらのJ-60はおそらくオール単板で本家マーティンD-28を意識したモデルのようです。
ギターマニアのY君曰く、とても気に入っているんやけど入手した時からサウンドホール上側の指板とボディの境目に亀裂が気になっているようで返品しようか迷っているとの事でした。
出品者も気づいてなかったんじゃないのと言って、とてもレアなモデルだし補修してあげることにしました。
Y君曰く、JUMBOはネックブロックが頑丈な斜めの梁が入っているので表面上の亀裂が入っている箇所が丁度そのブロックの境目になるのでそこに負荷が掛かって亀裂が入ったのではないか?との事で、それを聞いてなるほどと私もその見解に納得する次第で、15歳にしてなんという鋭い解説をするんや!と内心思いながら、末恐ろしい高校生やな~と感心してしまうのでした。
という事で、その亀裂も大したことがないような感じだったので、タイトボンドを流し込んでそれ以上広がらない処置を施しました。
あと、ブリッジがロングサドルなんやけどサドルが少し短いのでサドルの角をブリッジの角度に合わせてロングサドルっぽくしてとのことで、サドルの角を削ってそれっぽく仕上げました。
指板の根元の亀裂にタイトボンドを流し込み一回塗って、亀裂がまだ薄っすらと見えていたので再度2回タイトボンドを流し込んで亀裂が目立たなくなるようにしました。
ついでにフレット、ボディも磨き上げて元々張っていた柔らかいゲージの弦が音が細いという事でY君ご指定の012-053のライトゲージ弦を張り直して、J-60の力強い本来の鳴りが蘇りました。
J-60を手にしたÝ君もとても気に入ったようで、このJ-60をメインにしてCAT'S EYESはサブにしようと思うほどの本家の鳴りを凌ぐ程の鳴りにほれ込んでいる様子でした。
これもY君曰く、このJUMBOは裏板がラウンドバック形状になっていて、だから良い鳴りをしているのでは?と見てみると、写真ではちょっとわかりにくいかもですが、ボディ上部から下部に緩いラウンド形状になっているのが判ります。
ボディ下部の厚みを測定すると12.5cmあって一般的なドレッドノートより1cmも厚みがありましてそのボディ下部が分厚い分ラウンドバックになっていることがわかりました。
以前所有してたJ-25もそのようなラウンドバック形状だったのを思い出しました。
要はボディ内部の容積が大きい分、鳴りも大きく鳴るという理屈なのでしょうか。
いや~流石マーティン研究家の田原さんが手がけただけのことはある、ある意味本家の上をいく拘りの作りの良さに納得してしまいました。
これぞ、ジャパンヴィンテージアコギの神髄というとてもレアなJ-60でした。
またまたÝ君曰く、このJ-60ってネットで調べても余り情報がないみたいで、レアなモデルには違いはないみたいですが、更に上位のJ-85とJ-65があってJ-85はサイドバックがハカランダみたいで、これより更に上のがあるんやね!と話はつきませんが、とてもレアなJ-60をゲット出来て良かったね!大事にしーや!と言うと、とてもご機嫌なY君でした。
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