エリートTW-80のご依頼を頂いたP.NさんがくれたモーリスB-20です。
頂いた時の状態は、弦無しサドル無しブリッジピン無しの状態でしたのでサドルとブリッジピンを用意して12弦用の弦も無かったので注文して全体を磨き上げて、いざ弦を張っていると何やらブリッジがバキっと豪快な音がしまして見てみるとブリッジが浮き上がって半分くらい浮いて隙間がありました。(何となく想定内でしたがこういう状態だったので使わないから私にくれたんだなぁと思いながら、それでも私の所に来たのだから何とか直してやろうとやってみました~何せ72年製の希少な個体ですから!)
ブリッジの隙間にへらを差し込んでゴソゴソとやっていると簡単にブリッジが剥がれてくれました。
ボディの塗装の上から接着されていたようでブリッジが剥がれやすい状態だったようです。
なのでブリッジ接着面の塗装を剥いでからしっかりとクランプで接着させました。
ブリッジの接着材を削る時、臭い動物臭がしていたので膠を使っていたようです。
1日経過してブリッジが引っ付いていたようなので恐る恐る弦を張りまして、無事普通にチューニングが出来ました。
弦高も12弦としてはとても低くて6弦12Fで約2ミリ、(1弦も)と弾き易い状態にセッティング出来ました。
弦を張る前から付いていたペグの何カ所かの動きが渋かったので、洗浄してからギアの摺動部にグリスを塗り込んで、ストリングワインダーで何回もペグをぐるぐると回してギア全体にグリスが行き届くようにしたら何とかペグの動きが軽くなりました。
ジャンクから蘇ったB-20は丁度50年経過した個体としては目立った傷もなくて72年と言えばモーリスの創生期でヘッドロゴがモーピスロゴからマーティンっぽい書体に変わっていたりレアな感じで、ラベルに森平さんのサインがあったり、ネックブロックがごっつい積層材で田原良平さんがJUMBOに移られた初期のJUMBOと作りが似てたりとやはりこれ以降に売れすぎて生産を外注に出す前の個体は作りがとてもしっかりしているなーと感心しております。
とても弾き易く気持ちい12弦サウンドを響かせてくれるモーリスの歴史を感じる復活したB-20でございました。
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