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NO.105 SIMON&PATRICK SPRUCE12                     (トラスロッド交換)

最終更新: 8月8日

メールにて垂水区在住のFさんより、トラスロッド交換の相談を頂きました。

お気に入りのサイモン&パトリックの12弦ギターのトラスロッドを締めた際に折れてしまったとのことで大掛かりなリペアーになりますが音が良いので何とか復活させたいとのご依頼でした。

持ち込まれたサイモン&パトリックは比較的奇麗な外観で、弦が外された状態でした。

トラスロッド交換ということで私自身自分のギターではやったことがありますが、久々のリペアーですので先ずはじっくりとギターを観察して慎重に作業に取り掛かることにしました。(私自身トラスロッドを折った事がないので、オーナー様にどのような状態でトラスロッドが折れるに至ったかをお聞きしましたところ、長めのレンチを使ってロッドを締めたところボキッと大きな音がしてあっさりと折れてしまったとの事でした。

思っている以上に簡単に折れるものなので、私もいつも慎重にロッドの締まり具合を手に感じつつこれ以上締めると怖いなと思うところで止める勇気が必要で、よくやるのが押してもだめなら引いてみなで一旦ロッドのナットを外してナットにグリスか潤滑剤をたっぷり塗布してから再度ロッドを締めるようにしてナットの締め代を感じつつ慎重に作業するように心掛けています)ご自身で実施される際は、自己責任でお願いします。


指板を外さないといけないので先ずはナットを軽くプラスチックハンマーで叩いて取り外し、おもむろにボディの内部を覗いているとネックブロックの根本のラベルのような紙が少し剥がれ欠けていて、触ってみるとボルトの頭があり、ボルトオンネックであることが判りました。(ボルトを外してネックが外れるのかみましたがボルトを外しただけではネックは取れませんでした)

指板をアイロンで温め接着剤を柔らかくさせつつ、サウンドホール側から温めたへらで慎重に少しづつ指板を外していきます。

ボディとの接着面まで指板を外した時点でネックが外れました(ネック単体になったので残りの指板はずしがやり易くなりました)

しかしながら、奇麗に指板が剥がれるように慎重に作業しつつ、格闘しながら1時間程度掛けてようやくネックから指板を無事に剥がすことが出来ました。

摘出したトラスロッドを観るとネジ部の所で折れていることがわかります。

トラスロッドの寸法を測定して適合するサイズのものを選定して今回はギターワークスさんにオーダーしまして納品されるまで一旦一息つきます。(この時点でオーナー様に作業進捗の報告をしまして順調に作業を進めることが出来ました)


トラスロッドが入荷(注文から2日で)したので取付けるとネックにピッタリと収まりました。

指板とネックの接着面に付いていた接着剤をサンドペーパーで奇麗に取除き、接着面を整えて指板に反りが無いようにしておきます。

ネックヒールを0.5ミリ程度削って少しネックの仕込み角度を付けて弦高が低くなるように対策をしておきます。

元の位置に慎重に指板の位置を確認しながら接着面にタイトボンドを塗布(なるべくトラスロッドにタイトボンドが載らないようにした方がロッドの効きに影響するようです)して丸一日このままの状態でしっかりと接着するのを待ちます。

無事、指板の接着が出来て指板の反りも無いことを確認しました。

ナットを取付け、弦を張って弦高を確認すると12F6弦で約3ミリと少し高めでロッドを少し効かせて2.5ミリに調整しました。

弦を張り音出ししてみると強くストロークした際、何やらブリッジ周辺で共振音が出ていて先ず疑ったのが今回交換したトラスロッドで締め込みナットがブレーシングに干渉しているかもと思い、ナットを外してみましたが、ブリッジ周辺の共振は同じ状態で、次にボディ内部になにか干渉するような要因が無いかと観察するとブリッジから出ているピエゾピックアップの配線が長くボディ裏板に接していてこれがボディが振動するとつっかえ棒のようになって共振していたようで配線を処理してボディに干渉しないようにするとあっさりとブリッジ周辺からの共振音が無くなり安心しました。(ピックアップの配線を甘く見ていると意外に鳴りに影響することがあるのだなぁと今回、勉強になりました)

オーナー様に作業完了の報告をして、オーダーから約1週間で仕上げることが出来、対応の速さに感激していただき、早速翌日に取りに来ていただきました。

一度駄目になった愛器が無事復活したことに感謝して頂き、私もリペアーのスキルアップが出来てとても充実した仕事をさせて頂くことが出来ました。

喜んでいただけるオーナー様の笑顔を見ることが出来てこのサイモン&パトリックを復活出来た実感が湧いた瞬間でありました。

これからも末永くこの愛器が活躍できるようにアフターフォローもしっかりさせていただきます。

今回、GUITAR PORTにリペアーご依頼いただきましてありがとうございました。


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