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NO.84 ヤマハFG-180
三田市在住のYさんから弦高調整のご依頼を頂き、追加でクリーニングメンテナンス及び弦交換で輝きを取り戻したFG-180を紹介します。
ネックがかなり順反りしていました。
弦高を測ると6弦12Fで5ミリと高くネックを調整しても少しは下がるかなと思いながら、トラスロッドを閉めていくと最初ある程度ナットを閉めていってもナットがくるくると空回りしているような感触でロッドが折れているのかなぁ?と嫌な予感を抱きながらそのままナットを閉めこんでいくとようやく少しづつ閉まっていく感覚が手に伝わってきてネックの反りを確認しながら真っすぐな状態に調整することが出来ました。
オーナー様にネックが真っすぐになったことを確認していただき、聞きますと今まで調整をしたことがないということで50年以上経ってナットがゆるゆるな状態になっていたみたいでした。
この状態で弦高を確認してみますと、5ミリの弦高が3ミリ以下になりました。
これでかなり弾き易くなりましたのでこのままお返ししてもよいのですが、何せ50年以上経過したこのFG-180はボディーや弦も古びていましたのでクリーニングメンテナンス&弦交換をお勧めしまして、蘇らせたいと思います。
先ずは、ボディ内部清掃の儀でございます。
ボディ内部に溜まった50年分の埃を掃除機と長いホースを使って掃除していきます、あと手の届く範囲で硬く絞ったふきんで拭き上げました。
人間でいいますと身体の中から奇麗にするということで、お清めのようなものだと思っております。なので真摯な気持ちになって作業しております。
フレットを磨きあげまして、ペグを分解清掃磨き上げ・グリスアップして輝きました。ついでに錆ていたペグの木ねじの錆を落として、バカになっていたトラスロッドカバーの穴に埋木してネジが効くよう処理しました。
ボディ全体の磨き上げ、指板・ブリッジをオレンジオイル塗布して作業完了です。
弦を張って音出しするのが楽しみです。
改めまして、作業完了後のFG-180でございます。
このFG-180はオーナーのYさんが中学生の頃お父さんが買ってきてくれたものらしく、以来現在まで大事にされてきたワンオーナー品で大学時代まではよく弾いていたらしくて最近はほとんど(20年近く)弾いていなかったので久々に弾いてみると弦高が高くなっていて弾きにくくて、指も痛くなる状態になっていた為、今回ご連絡を頂きメンテナンスさせて頂くことになりました。
メンテナンス後のFG-180は弦高も低く(6弦12F2.5ミリ)なり輝きを取り戻しまして、音の方も大事にされてきた個体だけに素晴らしい鳴りで弾いていてとても気持ちの良い気分になりました。(正直、返すのが惜しくてもう少し置いておきたい気持ちになるギターでした)
オーナー様にもとても弾きやすくなって喜んで頂き、しばらく弾いていなかったこのFG-180をこれからも可愛がっていただけることと思います。
お持ち頂いた時、ケースがない状態だったのでぴったりなハードケースも購入いただきました。
最近、コロナの影響もあるのか暫く弾いていなかったギターを再開される方の話をよくお聞きします。こんな時こそ昔弾いていたギターを手に取って若かりし日のことを思い出しながら弾いてみるのもいいものですね。
最後にお預かりしてナット交換が完了しているFG-150と兄弟並べて2ショットです。
どちらもとても年期の入ったアコギですがとても良い音しています。
FG-150の方は次回の紹介になります。