西区のOさんからギブソンSJ-200をお持ち頂きました。
以前からお持ちのSJ-200鳴りが…と聞いておりまして何とかならないかとの事で診てみることになりました。
アコギ界のキングオブフラットトップと言われているギブソン最高峰のSJ-200のこちらは限定モデル(2015年製)だそうでオーナー様のお気に入りだそうですが、ジャンボボディの割に鳴りがそれほどでもないようでお持ちのJ-45の方が良く鳴っているらしくて弾いてみましたが、J-200って当たりはずれが多いみたいでサイドバックがメイプルって言うのもあって弾き込まないと鳴らない個体が多いようですね~
そういう事で少しでも鳴りが良くなるように考えつくことをやってみることにしました。
先ずはブレーシングの主に下部にあるトーンバーやⅩブレーシングが角張っているので少し角を落とすような感じで手を突っ込んでサンドペーパーで地道に強度等に影響がない範囲で力木のシェイプアップを心んでみました~
※因みにサウンドホールでのボディの厚みを測定すること3.3㍉でやや厚みがある方かなぁと思いつつ、在庫のギターを全て測ってみると2㍉後半から厚いのは3㍉後半といろいろありましたが、よくある古い合板のFGやモーリス等は相対に薄い表板で鳴りやすい作りになっているようです。
ピックアップの配線等もトップ板にフックで固定されてたのをサイド側に変えたりなるべく鳴りの妨げになるような要因をなくしていきます。
1弦を弾いた時に微妙なビビりのような共振音があって、フレットを診ると6、11.12F辺りに僅かな浮きがあったので修正して磨き上げてみるとこちらの不具合は収まりました。
独特な形状のブリッジは装飾の関係でサドルから距離があって弦のテンションが弱そうなので装飾の貝ギリギリまで溝を延長してみたりしました。
ブリッジピンはサステーンが伸びるようにとブラス製のが付けられています。
(弦はお持ちのギターにエリクサーのライトで統一しているみたいなので色々と試してみるのも良いかと…思ったりします…)
色々とやってみまして弦を張ってみると当初の鳴りよりも深みのある鳴りになったような気がしましたが、他にもできそうなことはないかと考えて~、取付けられているアンダーサドルピエゾを外して鳴らすと余計なものがなくなったせいかよりすっきりとした響きに変わって結果弦高も0.2ミリ程下がって(6弦12Fで約2.2ミリ、1弦1.8ミリ)これがやってみた中で一番効果があったように感じました。
仕上がったのでオーナーさんに弾いて頂いて最初に敢えてピエゾを付けた状態で試奏して頂いて当初の鳴りとの違いと、1弦の2カポを付けた時の微妙なビビりが無くなったのを確認して頂いてから、その場でピエゾを外した状態での鳴りの違いを感じて貰ってピエゾを外した方が深みのあるすっきりとした響きを感じて頂き、最初から付いていたピックアップ(LRバックスElementActiveVTC)を取りはずして後日、他のギターから取りはずしたスカイソニックT-902に交換させて頂きまして、SJ-200の鳴りが向上してオーナー様も納得の事例となりました。
いつもはブレーシングとかそこまで手を付けることまでしないのですが色々とやってみてとても勉強にもなりましたし、前からサドルの下に敷くピエゾピックアップって生音には良くないだろうと敬遠しておりましたがそういう違いも判ったりしまして、ギターによっても弾き込まないと鳴りが良くならない個体も存在しますので、このSJ-200もまだまだ良くなっていくと思いますので末永く可愛がって頂きたいなと思う次第です。
この度のご依頼ありがとうございました。
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