Y様からNgoc Bayという初見のコンパクトサイズのアコギの修理のご依頼を頂きました。
気がつくとギターが割れていたとの事で、他にも指板エンドに割れがありました。
見た目が作りが良さげな感じで小ぶりでサイズ感が可愛いNgocというギターです。
調べても情報が無くてNgocと検索するとベトナム人の方に多い名前の様でどうやらベトナム製の手工ギターなのかなとお見受けしました。
知り合いの方から譲って頂いたギターとのことでサイドバックがコア材が使われていたりボディサイドのアームレストや特徴的なヘッド形状等手が込んでいてエキゾチックな趣があります。
トップ割れとブリッジ浮き、指板エンドが割れております。
この時期エアコンを掛けて湿度が極端に下がった状態でこのような事になってしまったのでしょうか。加湿器で湿度管理をしっかりとしたいところですね~
割れた箇所に濡らしたテッシュを当ててボディ内にも濡れた布巾を置いて木を膨張させる作戦~、で一日経過して割れが閉じて良い感じになっておりました。
割れ箇所を接着して極細(0.5㍉)のドリルで穴を開けててボディ裏にパッチを接着させる治具を使って補強しました。
浮いたブリッジを付け直してボディの割れ箇所を塗装で補修して仕上げました。
指板エンドの割れはタイトボンドに木くずの粉と黒の塗料を混ぜたパテで埋めて圧着して指板を研磨してからハイフレットでビビりが出ていたのでフレットのすり合わせと元々サドルが低すぎてビビっていたので今回は簡易的にサドル下にシムを入れて適正な弦高とネック調整でビビりを解消しました。
このギター、最初にボディ内を観た時にブリッジ裏の補強のプレートがブリッジピン穴の手前に付いていて~肝心な箇所にブリッジプレートが付いておらずボールエンドが直接ボディ裏板に食い込むようになっていたので、(これも割れの原因であったかもしれません…)以前に作っておいたブリッジプレート保護板を当てて対応しました。
少し気になったフレットサイドの引っ掛かりを処理してペグの清掃グリスアップ、ギター全体を磨き上げました。
色々と手を尽くして何とかNgocギターを復活させることができました~
外観は本当に良い感じのギターで単板の材で作っていたり~、ブリッジプレートは⁈でしたがとても弾きやすくて音も凄く良くて謎なNgocギターではありますが、オーナーさんもとても喜んで頂けたので治せて良かったです。<(_ _)>
この時期のギターの保管の際の乾燥には充分にご注意くださいませ。
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