NO.498 ヤマハダイナミックギター サンバースト編
- guitarportkobecom
- 2024年2月10日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年2月11日
ナチュラルカラーのダイナミックギターに続いて4本のダイナミックギターを紹介します。
サンバーストカラーのダイナミックギターを探していて、親切なAさんが地元の楽器店の閉店セールで出ているのを見つけてくれまして写真と状態を教えてくださりまた買って来てくれました~
ラベルは赤枠ラベルでした~(これもラベルが奇麗に残っています)
この個体を観察していると今までのナチュラルカラーのとは違ってネックが細くてナット幅を測ると約45ミリと明らかに細くて尚且つ弦高も低くて弾き易そうでサンバースト系(NO.1又は10系)のを集めてみたくなりました~
元々低かった弦高はサドルを真鍮製の2ミリに交換して更に弾き易くなりとても綺麗な状態の良いダイナミックギターでございます。
続いてのサンバースト君は(残りの3本は某オークションにてほぼ同時に一気に入手)NO.1A(黒ラベル)です。
この個体はバックもサンバーストで薄っすらトラ杢も出ており良い感じだったのですが弦高が少し高め(6弦12Fで約4ミリ)だったのでNO.20で会得した弦高を下げるやり方で調整しましてとても弾き易い状態になりました。
こちらのNO.1Aもやはりネックが細目でナット幅は約45ミリでした~
続いては黒ラベルのNO.1です。
こちらは裏表サンバーストでバックのトラ杢が奇麗な個体です。
バックの傷が多かったので磨き上げて目立たなくなるように磨き上げました。
こちらは状態良くて弦高が低く弾き易くやはりネックは細目でナット幅は約45ミリでした。
4本目は赤枠ラベルのNO.1Bです。
NO.1Aとの違いはサンバーストの色合いが少し違うようです。(NO.1Aが濃いめのサンバースト、NO.1Bが明るめ⁈みたいです)
やはりラベルが奇麗にテカテカとしています。
バックがサンバーストではなくてブラウンでトラではなくてプレーンな木目です。
こちらも弦高低めでナット幅は約45ミリでした。
4本並べてみました。
左から赤枠ラベルNO.1B、NO.10、黒ラベルNO.1、NO.1Aです。
赤枠ラベルは2本ともバックがブラウンでプレーンな木目で、黒ラベルはバックがサンバーストでトラ杢になっております。
全てそうなっているのかは不明ですが個人的にはバックがトラ杢の方が好みです。
黒ラベルの方が年代が古いので良い材が多かったのか⁈または良い材(トラ杢)はサンバーストに塗装されたのかと想像したりしますが、赤ラベルでもサンバーストのトラ杢のがあるのか⁈興味のある所ではあります。
ムック本を見返しても黒ラベルのNO.1B以外(NO.2の0フレット仕様はブラウン)は全てバックがサンバーストで、赤枠ラベルに関してはNO.40とNO.80の上位機種のみサンバーストのようでやはりサンバーストは手間が掛かるので後期になってコストダウンが図られたかもしれませんね~
赤枠ラベル期のカラーリストが載っておりました。
最後に集めた7本のダイナミックギターの各個体の状態をまとめてみました。
型式/シリアル ラベル ナット幅 ネック厚み 弦高 サドル Bカラー
NO.20 6弦 1弦
332812 赤 49.7 27.1 2.2 2.2 真鍮1.5ミリ N
(調整前4ミリ)
NO.40
197552 赤 49.1 24.7 2.2 1.9 真鍮2.0ミリ N
NO.8
54364 黒 50.2 23.9 2.2 2.0 真鍮2.0ミリ N
NO.1 51577 黒 44.7 24.0 2.2 2.0 真鍮2.0ミリ S
NO.1B
114873 赤 45 24.1 2.4 2.0 真鍮3.0ミリ S
NO.1A
95718 黒 44.7 24.4 2.2 2.4 真鍮2.0ミリ S
NO.10
309732 赤枠 45.5 26.3 2.2 2.4 真鍮1.5ミリ S
(調整前4ミリ)
※スマホで見ると上の一覧の行間がずれるので下の同じ内容の表です。
上記よりトップがナチュラル系ではナット幅が約50ミリと太くサンバースト系は全て45ミリ程度で細めのネックであった。(サンバースト系NO.1&NO.10シリーズについてはラインナップ中下位グレードであるために差別化の為に敢えて細めのネックシェイプにしているのかと推測…⁈これに関してはムック本に記述がないので謎である…)
ネックの厚み(1Fで測定)は個体差があり幅広/厚め、幅広/薄め、幅細/厚め、幅細/薄め等まちまちで当時の職人の感覚でネックが削られていたのであろうと想像します。
個人的にはサンバースト系の細/薄ネックは弾きやすくて現代的なギターとさほど差がなくて好みのネックシェイプです。
弦高は高い個体もありましたがブリッジを削ってサドルを1.5ミリの物にしたりで低い弦高に調整出来る場合がある。
どの個体もネックの状態が良くて元々太いネックなのでロッドなんか入っておりませんがしっかりとした良い材を使っているので極端に反っているネックはありませんでした。
(どれもナイロン弦を張っていたので極端にフレットの減っている個体もありませんでした)
ブリッジ剥がれ、お腹の膨らみ等が観られる個体もなかった(入手した個体がたまたまラッキーなだけだった説有り⁈…)
あと、NO.20、NO.10(共に赤枠ラベル)はヘッドにJISマークがはいっておりムック本によるとJISマークがあるものは63年以降の製造でヤマハの子会社の天竜楽器製であると書かれております。なのでそれ以前のJIS規格前の個体は上記のようにネック等個体差が多いのかなーと考察いたします。
とまあ、ここ最近ダイナミックギターにハマって研究がてらに集めた個体をどれも弾き易く弄りましてどの個体も弾きやすくなってすべてに鉄弦を張っておりますがナイロン弦も張れるギターなのでナイロン弦をはるのも良し、1本で2倍も楽しめる古くて新しい⁈ダイナミックギターでございますが、1周回って人気が出たらいいにになぁと思いつつそうなるとお安くゲット出来なくなるので今のままでいいかもな~と思ったりしておりますが…
まだまだ謎の多いダイナミックギターで興味の尽きない古き良き時代のヤマハの熱意が籠った素晴らしいギターでございます。
最後に一番レアな最初期ゴールドラベル(輸出専用)の最上位機種のNO.70はいつか入手してみたいな~、とこれを集めたらコンプリートやな~と思ったりしております。
今回は鉄弦を張りたかったので敢えて低い弦高に調整したりしてどれも弾き易い個体に仕上げておりますのでダイナミックギターに興味ある方はお店に弾きに来てくれたらうれしいです。<(_ _)>
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