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NO.462 KomiyamaギターP-55

東灘区のM様よりクラシックギターのメンテナンスのご依頼を頂きました。

コミヤマギターという個人製作家の方が造られた高級なクラシックギターだそうです。

Mさんは沢山のクラシックギターを所有されているそうで、このギターの1弦の特に2フレットの音が弱い(伸びが無い)とのことで気にされていて状態を診て欲しいとの事でした。

コミヤマギターって初めてみたのですが、オーナーのMさんに聞いたところ、昔良く聞いた新堀ギターとうい全国に展開していたギター教室があってそこに当時ギター製作科があってそこの優秀な方(こみやま氏)が独立して製作されたギターだそうで型式のP-55って55万円って意味なんでしょうか~?


実際に弾いてみて極端に1弦2フレットの鳴りが弱い感じはしなかったのですが、オーナーさんが感じられる感覚的にはそのように感じておられるそうで、他にお持ちのギターと比べてもそのように感じておられるようでした。

オーナーさん曰く、1弦の鳴りが弱いのでサドルを造り直して1弦側だけ弦高を0.2ミリ程上げて鳴りが改善するのではないかとのことでリクエスト通りにサドルを作り替える方向で考えてみました。

現状の弦高を測ると6弦12Fで約4ミリでした。

サドルを造る前に現状のサドルの状態をみてみると…

サドルの底面を鋼尺に当てて光にかざしてみると、底面と鋼尺の間に僅かに隙間がありました。

このことをオーナーさんに報告してサドルを造り直して1弦側を高くすることより、現状のサドルの底面を整えて戻してみた方が良いのでは?と提案しましてそれでも鳴りが改善しなければ、改めてサドルを造り直りてみることにしてはと相談させて頂き、OKを頂きました。

サドル底面を整えて、表面をコンパウンドで磨きました。

サドル取付け後の弦高は作業前と殆ど変わりないですが、底面を削った分極僅かに下がったかもしれません。

弦を外した時、ナットが取れたので軽く接着しましたが、クラシックギターの場合(高級なのはナットを固定していない場合が多いそうです…まあ直ぐに外れるようにしてありますので…)

フレット&指板を磨いて弦を張り直す時に、6弦と1弦のペグポストに巻き付ける角度がナット溝に対して内側になっていることに気付きまして、私がやる場合弦がナット溝に対してなるべく真っすぐになるよう(弦になるべくストレスが掛からないように)にしているので、何時もやるようにナット溝に対して弦を真っすぐになるようにしました。(Mさんに弦がナットの溝に角度が付く様に敢えてしているのですか?と聞いてみたところ特に意識してやっていないとの事でした…たまたまそのような張り方になっていたようでした)

あとナットの溝も軽く整えたりと私の思いつく事はやり尽くして~、私的には少しは鳴りが改善したようには思えたのですが…


作業を終えてMさんに報告しまして試奏して頂いたMさんからも以前よりも響きが良くなっていると納得して頂きとても喜んで頂けました。

Mさんはクラシックギターにかなり精通されているようで入念に試奏して貰って私でも知っているクラシックの”アルハンブラの思い出”とか上手に演奏して下さり、聴いていても何だか癒されましてスペインのアルハンブラ宮殿の風景が浮かんで来そうな感じがしておりました。

今回は1弦の鳴り(2フレット)が弱いという少し私にとっては難しいご依頼でしたが、基本に立ち返ってギターの現状がどうなっているのかを観察して、不具合を見つけて原理原則に基づいてやっていけば良い結果になったのでとても良い勉強になりました。

オーナー様にも鳴りが改善したことで、持って来て良かったと仰っていただけたのでやってみて良かったと実感出来ました。

Mさん素晴らしい演奏を聴かせて頂いてありがとうございました。

また沢山お持ちのコレクションのメンテナンスをお待ちしております<(_ _)>


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