何時も御贔屓にして頂いているSさんから入手された希少なギブソンJ-55のメンテナンスのご依頼を頂きました。
70年代のスクエアーショルダーボディのJ-55です。
J-50と比べてバックがラウンド形状になっていてサイドバックがマホガニー合板でブレーシングがなくてギルドの作りに似ていてJ-45のラウンドショルダーボディとは違った感じですがこの年代の個体でよくあるボディサイドのバインディングが割れているのが交換されていて状態が良かったので思い切って入手されたそうです。
弦交換と一通りメンテナンスをとのご依頼です。
ネックの反りも無くて弦高も低くい状態です。
ロッドのナットを外してグリスを塗って、ペグの動きがやや硬かったので古いグローバーは確かばらせるようだったのでやってみますとペグの横軸が外れて裏蓋もペグポストを押すと裏蓋に当たって蓋が外れてばらせて内部を掃除してグリスを入れ替えて少し動きが軽くなりました。
内部を観てみるとこの年代特有のダブルⅩブレーシングでサウンドホール上部も2重の補強が入っていたりかなり丈夫な作りになっておりました。
サドルを外すとプラスチックだったのでこれは牛骨に作り替えて、オーナーさんが気にされていたピックガード横のクラックはボディサイドを押さえてタイトボンドで広がらないように処置しておきました(クラックの後ろ側に丁度補強がされているのでこれ以上は広がらないと思われます)
出来る限り奇麗にしまして新しい弦に張替えまして鳴らしてみますとギブソンらしい歯切れが良い独特な鳴りを奏でてくれました。
世間的には不人気な70年代のギブソンですが、J-55をメンテナンスさせて頂いて作りが頑丈なのがわかってそれが災いして鳴りに影響したかもどうかですが、今でもしっかりとした良い状態を保っているので同年代のレスポールとかも頑丈な作りになっているので時代的にそれまでの作りから改良を施されたと思われますが以降の年代には継承されていないので今となってはとてもレアでそのうちに復刻モデルとか出ないかなーと個人的には思ったりしました。
年代的にヤマハとかも70年代になってそれまでの赤ラベルから作りの頑丈になったグリーン、黒ラベル期になってデザインも無骨になって世間的に不人気になったのとよく似ているなーと(個人的には不人気なグリーン、黒ラベルが好きで音ではこちらの方が好みだったりしますが...)
いつも音楽の趣味が合うSさんと近々に来日されるクラプトンの話をしていて知らなかったのですが、愛しのレイラでエンディングで弾いているスライドのソロの所ってデュアンオールマンが弾いているって教えて貰って⁉今までてっきりクラプトンが弾いてると思ってました〜
Sさんは何でも良くご存じなのでいつも勉強になります。
いつも入手したギターを持って来て頂き感謝しております。
また良いのをゲットしたら持って来て頂けたら嬉しいです。<(_ _)>
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