兵庫区のライブバーKOKA57のオーナーさんのTさんから年代物のAIRLINEのピックギターのご依頼を頂きました。
AIRLINEと言えば60年代のエレキのビザールなのは知っていましたが、ピックギターも作っていたんですね~
とても風格があって、全身にラッカークラックがびっしりと奇麗に入っておりますが、弦高が6弦12Fで6ミリオーバーととても高くて弾きにくい状態でお店のオブジェになっているので何とか弾き易くとのご依頼です。
1弦側のボディーと指板面に隙間があるので先ずこちらを接着してネックの根元をしっかりとさせてからネックアイロンを当てて順反りしたネックを修正させます。(ネック自体もヘッド側から見るとねじれております)
3弦のペグが曲がっていたので取り外して曲がったペグシャフトを修正しようと頑張った所、折れてしまいまして、オーナーさんに連絡してこちらは新品の同じタイプのものに交換しました。(熱を加えてシャフトの曲がりを直したかったのですがプラスチックのボタンが溶けそうだったのでそのままの状態で曲げ直すとあっさりと折れて…心も折れてしまいそうになりましたが…、この手の古いタイプのペグってちょっぴりお値段も高めですがまあ寿命だったので結果的には新しくなったので良しとしましょう。
ブリッジの厚みを測ると全体で12.8ミリあったので弦高を3ミリ程下げたいのでトータルブリッジを6ミリ程削りました。(更に弦高を下げる為にブリッジを上下させるつまみの厚さ分(約2ミリ)も削ってみました。
弦を張って弦高を測定してみるとブリッジをベタ付けに下げた状態で6弦12F3ミリ以下になるのですがネックアイロンでは治らなかった6弦側の指板のハイフレットの元起きの為に12F以降でビビりが出るのでブリッジを上げて6弦12Fで3ミリちょいにしてあげるとビビりがマシになりました。
ブリッジの高さを調整すると弦が乗るサドルが宙に浮いた状態になって音が貧弱になって具合が悪いので対策として、浮いて隙間が出来たブリッジとサドルの間に隙間の幅に合わせた薄板を挟み込んでサドルの接地面積を増やしてやると弦の振動が増したようで鳴りも少し良くなった感じがしました。
指板の元起きを直すには指板を削って修正すれば更に状態は良くなるのですが、今回は費用の関係で出来ませんでしたが当初の状態からは何とか弾くことが出来るようになって、古びた希少なAIRLINEが復活致しました。
オーナーさんにお渡ししてオブジェになっていたAIRLINEが弾きやすくなったことを喜んで頂けました。
以前にお見せに来られたことがあるプロの有山ジュンジさんが貫禄のあるこのギターを観て弾いてみたいと仰っていたそうで、またお越しになられた時に弾いて頂けたら嬉しいです‼
私も機会があればKOKA57さんに伺って優しいオーナーさんとAIRLINEに会いに行きたいと思いました。
この度のご依頼ありがとうございました。
今後とも御贔屓の程お願い致します。<(_ _)>
Commentaires