高校の先輩のSさんからのご紹介でI様からキャッツアイCE-1500の修理のご依頼を頂きました。
キャッツアイの全単板の高級機のCE-1500ですが以前にソフトケースに入れた状態で担ごうとした際にファスナーが開いたままだったのでヘッドから落ちてこのような無残な状態になったそうでネックヒールから両サイドとネックブロックまで割れた状態になっていました。
(しかしながら、該当箇所以外はほぼ無事だったのが奇跡的で不幸中の幸いでございました)
知り合いのリペアー工房さん(私も知っている)に預けていたそうですが、沢山のバックオーダーを抱えていらっしゃるみたいで約1年⁉位ほったらかしにされていたそうでそちらの工房から引き取って来られて、私の所へとやって来た次第だそうです~(そんなに沢山のリペアーのご依頼があるなんて羨ましい限りですが、1年程待たされるってどうなんでしょうか…)
せっかくのキャッツアイの希少な高級機ですので、しっかりと治して復活させたいと思います。
ヘッドの後ろ側から恐々と少し力を掛けると傷口が約1ミリ位広がりまして、その隙間からタイトボンドを出来る限り傷の奥の方へ流し込みました。
傷口をしっかりとクランプで挟み込んで、タイトボンドがはみ出したのを拭き上げてそのままの状態で2日間圧着しました。
割れ箇所がしっかりと接着されてネックの角度も良い感じになっておりましたが、接着したままなのでもう少し傷口を奇麗に仕上げてみたいと思い(当初オーナーさんからは割れがくっついて弾けるようになれば良いとの事でした)相談して少しだけ費用が掛かりますけどもせっかくなので奇麗に仕上げたいということで傷が目立たないように何度も塗装と研磨を繰り返して仕上げてみました。
ボディ全体もポリッシャーで磨き上げて輝きを取り戻しました。
外れていたピックアップの配線も整えて音出しも確認出来ました。
元々のセッティングも良かったので弦高も弾き易い状態で傷ついたCE1500が無事に復活しました。
復活したCE1500はネックが太めでサイドバックハカランダの深い響きで豪快な鳴りを響かせておりました。
オーナーのIさんも仕上がったCE1500を観て素晴らしい仕上がり!と感謝とお褒めの言葉を頂いて、愛おしそうに久々にCE1500を鳴らせてとても喜んでおられました。
春にはまたこのCE-1500をライブで使われるとの事でこれからも希少なキャッツアイを可愛がって下さいませ。
ケースから運ぶ際にはくれぐれもお気お付け下さいませ~笑
他にも沢山のギターをお持ちのようで、また持ってくるわ~と仰って頂きました。
またのご依頼お待ちしております<(_ _)>
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