ご近所のKさんからこの度、地元に戻る事になりまして〜との事で使わないギターを買い取って欲しいと言う事でFG-720がやって来ました。
Kさんは近所の方で、話し好きな人で最初に来られた時、確かアリアのエレアコに趣味でビリケンさんの彫刻した板をギターに貼りたいんやけど、どうしたらいいかと相談に来られて、なんや変わったおっさんやなぁとそのアリアのギターを観ると彫刻されたビリケンさんの板に合わせてギターの表板がカットされていてブレイジングまで切断されていたので、これはもうギターとしては弾けない状態になっているのでビリケンギターとしてオブジェにしては⁈みたいなやり取りをしていて、それ以来ちょこちょこ遊びに来てくれたり、一度サッカーに誘って頂いたりとお客さんというよりご近所の知り合いみたいに親しくさせて頂いておりました。
そんなKさんが地元の岡山に引っ越すからと、使わないギターを引き取ってくれとの事で、FG-720を持ってきました。
FG-720はヤマハの工場が台湾に移ってからの80年代後期の確かアイボリーラベルでヘッドのインレイとピックガードがハトをイメージした所謂鳩のFGと呼ばれてたりしますが国産じゃなくなったので不人気でお安く流通してりますがそんな不人気な上にボディーにめっちゃ目立つでっかいシール跡があって所々に打痕もあったりで、こんなん持ってこられてもなぁと内心思いつつ、Kさんが地元に帰るという事で餞別程度の値段で引き取ったのですが、このシール跡どうしたもんか~と思案しつつ、ここはもう塗装を落としてシール跡が目立たないようにするしかないかぁと思い何とかやってみました…
よく塗装が焼けるって言いますけどシール跡って塗装ではなくて木自体が焼けてそこだけ目立つってことで、畳がタンスの下でそこだけ若いわ~とキャンデーズの歌(古~)みたいになっておりました。
頑張って塗装を落としてみました。
シール跡が結構頑固でかなり削ったんですが跡が薄っすら残っておりますがその上からオイルフィニッシュを施してみました。
木の自然な風合いが出るナチュラルのオイルフィニッシュにしたので塗装を落として今は白っぽい感じですが、年月が経てばまた焼けて良い風合いになると思います。
安っすいペグを適当な似合いそうなのに交換しまして弦を張りますと古い国産のFGと違ってギターの設計が改良されていて弦高もサドルを触らなくてもいい位(6弦12Fで3ミリ)でよく鳴っているので自分用で使おうかと思っておりましたが、試奏してくれた常連さんのÝ君が気に入ってくれまして何やら部活(軽音楽部)の部室に置くギターにするからと買ってくれることになりました。
Ý君のリクエストで弦高をもう少し下げてからネックヒールにストラットピンを付けてみました。
シール跡と少しの打痕以外は状態も良くて良い感じに仕上がった720はÝ君の高校でみんなに可愛がられて益々いい鳴りになって行くような感じがしております。
今はそんなに人気の無い台湾製のFG-720ですが古いFGとはまた違う、今時の弾きやすいアコギに改良されておりますのであと20年くらい経ったらヤマハヴィンテージとして光が当たるのではないか⁈と予感がしております〜
最初の話に戻って、Kさんが以前に造ったギターを近くの松尾稲荷神社に奉納したと聞いておりましたのでお参りを兼ねて行ってきますと、ビリケンギターとして丁寧に祀られておりましてギターの神様になられたようで、これからもよろしくお願いしますと拝んでまいりました。
この松尾稲荷神社はお店の氏神様ですので前を通るたびに拝んでおりますので、皆さまもご興味がありましたらKさんが造られたビリケンギターが祀られておりますので参拝されてみてはいかがでしょうか。
KさんからFG-720を預かって何とか仕上げまして、新しい嫁ぎ先が決まって益々活躍出来そうですよ~!
ビリケンギターもさぞ喜んでおられる事でしょう。
Kさん、また神戸に来られた際には遊びに来てくださいね〜。
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