何時も御贔屓頂いておりますFさんが本物のナショナルのリゾネーターギターを持って来てくれました。
年式等は不明ですが珍しい12Fジョイントの古いスタイルなのでかなりの年代物みたいですが本物のリゾネーターギターをゲットしたFさん曰く、現状はレフティー仕様になっているので割とお安く入手されたそうですが普通は片手位はするみたいで、なのでナットを作り替えるのとストラップピンを元の位置に付替えて5Fのポジションマークが取れているので付けて、あと気になるネック裏の補修跡をもうちょい奇麗にして欲しいとのことでした。
あとリゾネーターギターなのでコーンを外して中の掃除もしておきます。
このナショナルのリゾネーター、マークノップラーのんと同じやねんでーと教えてくれて、あーあのブラザースインアームスのジャケットの有名なあの~、と調べて見るとあっちのは14Fジョイントでよーく見ると外付けピックアップが付いていたりしてますがFさんのもライブで使うんやったらピックアップ付けなあきませんねー、あんなに上手く弾けんけどな~、いやいやご謙遜を…マークノップラーが使ってからリゾネーターギターの値段が高くなったんよ~、との事ですがこっちの方が12Fジョイントでレアでかっこいいのと違います~⁉みたいなやり取り…
なんていうんでしょうかメタルボディの全面にヤシの木の柄のが本物感を漂わせておりますね~!
先ずは勉強を兼ねてコーンの中を覗いて構造を観察してボディの中を掃除しました。
以前にFさんから預かったこれのコピーモデルのジョンソンのリゾネーターと同じような構造でした。そのジョンソンはリゾネーターギターが欲しかったので、私のマルハのピックギターと交換して私が所有しておりましたが、何せ重たかったので使うのがついつい億劫になってしまって手放してしまいましたが、この本物のナショナルはジョンソンよりも気持ち軽い印象です。やっぱり本物は違うんや~と何だか実感。
律儀なFさんは何時も交換するパーツを用意して持って来てくれます。
今回は交換するナットとポジションマークを持参してくれました。
とても段取りの良いお方なのでこちらは私の作業代だけの代金を頂いております。
外れた5Fのポジションマークの穴が浅いのでミニルーターで少し穴を掘ってからドットのインレイもやすってタイトボンドで接着してから指板との段差が無いように均して仕上げました。
ストラップピンも元の位置に付替えてヒールエンドの取付け跡を埋めて着色してクリアーを吹いて目立たないようにしておきました。
ネック裏の打痕跡の補修箇所がイマイチだったので下地の塗装が取れない程度に塗装を剥いでクリアーで仕上げてみました。
最後にナットをオリジナルのを参考にかっこよく加工して交換しました。
仕上がったのでFさんに早速お渡ししてほっとしていたら、後日1弦が弦落ちするとの事でどうやら左右ひっくり返したコーンのサドルの1弦の所が元々少し欠けていたようでそれで1弦の溝が浅くなって強く弾くと溝から外れて弦落ちしているようでした。
サドルの木が少し欠けている箇所に牛骨の粉とアロンアルフア(ゼリータイプ)を1:1で混ぜて肉盛りしてから形を整えて溝を切り直しました(接着剤が直ぐに固まるので素早く作業します、3分程度で固まってカチカチになります)
弦を張って強めに弾いても弦落ちしないことを確認しました。
今回はご依頼箇所ではありませんでしたが、1弦の弦落ちは私の見落としだったのでサービスでやらせていただきましたよ~。
早速、アメリカからサドルのパーツを取り寄せて予備として持っておくわーと抜かりが無いFさんです。
ナショナルのは今でも殆どのパーツがあるみたいやわー、アメリカから取り寄せなあかんけどーととても楽器に対してのこだわりと知識の深いお方でございます。
色んなお客さんがおられますが、上手い方って皆さんほんまにマメな方が多くて研究熱心で好きな事を突き詰めると自然とそうなるんでしょうねー。
そういうお客様のご依頼は受ける側としてもその期待に応えたいとついついやる気が上がってしまいますねー。
希少な本物のナショナルのリゾネーターギターをレフティー仕様から諸々含めて右用ににさせていただいて、そのうちにFさんがライブで使って貰えるのを楽しみにしてますよ〜。
いつもネタを提供してくれましてありがとうございます。
またレアなのをもってきてくださいませ!
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