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NO.343 リトルマーティン LX WHITE

更新日:2022年6月15日

ギターマニアのÝ君がマーティンを買ったから持って行きますね~とのことでどんなんが来るのか期待しておりました。

高校生でありながらギター通のÝ君は結構な貯金があるみたいで、この前マーティンを買おうと思っているっていう事で江坂のÐギターさんで色んなマーティンを試奏までしてやっぱりD-28とかでも普通のやなくて、オーセンティックとかゴールデンエラとかとほざいておりましたのでこれを持ってきたときはマーティンってこっれかい!とずっこけそうになりましたが、気軽に持ち運びが出来るのが良いのでということで、まぁこれもれっきとしたマーティンということでÝ君曰く、これは2007年製で限定で200本だけの珍しい白いギターで「白いギターに替えたのわぁ~」と唄いたくなりそうですが大した意味はないらしいです。

持って来てくれたのは安くゲットしてブリッジが浮いているので治して~との事でした。

殆ど外れかけのブリッジです。

ブリッジピンを抜いてグラグラのブリッジを手で捻ったらあっさりと取れました。お腹も膨らんでいてサウンドホール側は沈んでいる状態です。

ブリッジに付いたボンドとボディ表面を均したらボディはいくらサンドペーパーでこすっても下地が見えなくて化粧合板を貼っているみたいで、これとブリッジ事態がリッチライトの樹脂なので接着性が悪いみたいでおまけにトップ板のハイプレッシャーラミネートの合板が1ミリちょっとの厚みしかなくて薄いのでお腹が膨らんでブリッジが剝がれやすいみたいです。

それとネックも何層にも張り合わせた集積材で何だか昔のモラレスのエレキギターみたいです。(あのモラレスはボディも積層材で接着材使いまくりでめっちゃ重かった…)

多分このギターは殆どこのような状態になっている個体が殆どだと思います。

以前にもこの手の表板を使ったドレットタイプも同様のブリッジ剥がれをリペアーしたことがありましたが、マーティンもこれに懲りて今はハイプレッシャーラミネートを表板には使うのをやめたようですがサイドバックには使っているのかな?

何時ものようにタイトボンドで接着してみました。


一日経って、ブリッジが付いているか確認の為に弦を張るとブリッジの端に隙間があってタイトボンドではだめなので今度はセメダインスーパーXで再度ブリッジを付け直しました。

これでやってもやはり6弦側のブリッジの端が少し浮いたので、3度目の正直でプラスチックの接着に強いセメダインスーパーXHYPERでやってみました。

少し接着性が良くなりましたがやはり6弦側のブリッジの端が少し浮くので、よくよく考えると幅の狭いミニギターのお腹が膨らんだ状態で、普通のサイズのギターと比べてトップ板の膨らんだ断面の傾斜がきつくなるのでその上から分厚い真っすぐなブリッジを付けようとしてもブリッジの端辺りで隙間が元々あるので弦を張ると同じような状態になってしまいます。(普通の木のブリッジとトップ板だったらタイトボンドでしっかりとくっついているので少々お腹が膨らんでも何とか耐えているのですが…)

という事で最終手段で隙間の出来るブリッジの端にビス止めをしてがっちり固定する作戦に変更しました。

ネジの頭に蓋を付けて塗装して目立たないようにしておきました。


ブリッジの接着でここまで手こずったのは初めてですが良い勉強にはなりました。

それとマーティンのこの手のギターは手を出したらあかんと言う事も判りました。

しかしながら治ったリトルマーティンはミニギターにしてはとっても良く鳴るので何だか憎いというか腐っても(失礼!)流石にマーティン、こんな化学調味料みたいなギターでも良い音がするんやと思えるから不思議なものですね~。

Ý君はこのジャンクなマーティンを持って来てくれて私のブロブのネタになるやろ~からと手を焼きましたが良い勉強をさせてもらったと思いました。

そのうちに今度は高級なマーティンを手に入れて持って来てね!

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