入手されたモーリスのフォークボディーのF-20の弦高調整のご依頼を頂きました。
とても奇麗な幌馬車ラベルのF-20です。寺田楽器製のいつも奇麗な山田さんのサインが入っています。
幌馬車ラベルは76年辺りからだと思うのですがトラスロッド調整部がヘッド側にあってサウンドホール側にある個体もあったりでこちらはヘッド側なので70年代後期のモデルなのでしょうか。
サイドバックが柾目の奇麗なローズウッドでネックの断面がVネックでとても握りやすくてオーナーのKさんが大のクラプトンフリークという事で所有されている000-28ECに雰囲気が似ていて気軽に弾ける個体を探していてこのF-20を入手されたとの事ですが弦高がやや高く、6弦1弦ともに3ミリちょいという事で頑張って弾きやすいようになるべく弦高を下げてみたいと思います。
元のサドルに少々高さに余裕があるのでこれを削って弦高を下げる予定だったのですが、安っぽい樹脂製のサドルなのでせっかくなので牛骨製に替えて本家のような鳴りに近づけるべく⁈やってみます。
ペグ等奇麗かったのですが、ばらせるのは全て外して、潤滑材を塗布して磨いておきました。(個人的にはグローバータイプのオープンペグに替えて更に本家に迫りたい所ですが…オリジナルのこのペグも充分に使える状態でした)
その他、全体をチェックしているとネックヒールの三角のキャップが少し浮いていたのでタイトボンドを塗布して接着しておきました。
新たな牛骨サドルを限界まで下げてなるべくサドルにテンションが掛かるようにブリッジピン穴に弦誘導溝を掘って、やや順反っていたネックを調整して弦高が1ミリ程下げれて6弦12Fで約2.2ミリ、1弦で約2ミリとなりました。
出来上がったF-20をKさんにお渡しして以前の状態より弾きやすくなったことを確認して頂きまして、更に本家の000-28ECよりこちらのF-20の方がややネックが細くて弾き易いとのお言葉を頂きまして鳴りの方は判りませんが雰囲気だけでも気軽に味わって頂ける個体に仕上がった事を嬉しく思います。
オーナー様のKさんは来月に新居である新長田で奥さんと共同で近隣のお年寄りの方の集いの場であったり音楽を楽しむ方向けにレンタルスペースを建設中でその名も「スローハンド」(どんだけ~クラプトン好っきゃね~ん!笑)のオープンに向けて頑張っておられるようで、以前にご来店頂いた際にそのことを伺っておりましたのでオープンに向けて楽しそうにお話されていて陰ながら応援出来たらなと思いました。
「スローハンド」でこのF-20を気軽に弾いてもらえるようにとのことらしいのでこれから活躍できるように願っております。
ご年配の方から音楽好きな幅広い方々に愛さえる憩いの場のような「スローハンド」の成功を心から願っております。
この度のご依頼ありがとうございました。
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