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NO.213 ラップスチールギターの再生その1

御贔屓頂いておりますFさんより希少な戦前物のラップスチールギターの再生4本をご依頼いただきまして、2回に分けて紹介します。

NO.204で紹介したRADIO TONEのラップスチールギターに続いて何を血迷ったのか東京の某ギターショップから絶滅危惧種の希少なラップスチールギターを全て(4本)買い取られしかもジャンクな状態みたいらしくて、Fさんのお話ではラップスチールギターってあまり弾く人が少なくてこのような希少なものでも需要が無いので割と手ごろに買えて何よりご自身がこの絶滅危惧種の楽器を後世に残したいとの高貴なお考えと、余生はラップスチールを極めたいとの壮大なお考えに響くものがありまして、私も賛同しまして何とかやってみたいと思いました。

3本まとめて持って来て頂いて順番に行きまして、先ずは状態の一番良いマッキンリーっていう初めて聞くブランドのラップスチールでこれは単にピックガードが取れているだけでして、鼈甲柄のピックガードが分厚くて少し膨らんでいるような状態だったので濡れた布巾を当ててアイロンで温めて平らにして強力な両年テープを貼り付けまして完了しました。

ピックガードが奇麗に剥がれていて長年の経過でくっきりとボディに日焼け跡があります。

丁度パーラーサイズのZENNと同じくらいだったので並べてみました。

各部を磨いて弦を張替えて取り合えづ完了しました。

とても状態良くて雰囲気があって軽くて乾いた感じの音がします。当時物のペグは少々硬いですが給油してちゃんと機能しています。

裏板にびっしりとメイプルのトラ杢が良い色合いで退色していてとっても渋ーい雰囲気で、サウンドホール側から見てもトラ杢がはっきり見えますので単板のようです。(当時ってまだ合板ってなかったんでしょうね…)


続いてのラップスチールはスーパートーンというこちらも戦前物⁉であろう年代物で見た目は状態良さそうですが…

ピックガードがねじ止めで変形しているのをなんとかするのとナットが欠けているので作り替える、ネックヒールが少々隙間がある、ブリッジが少しだけ隙間があるのを直していきます。

するめのように変形したピックガードを取りはずしこちらはなぜかあまり日焼けしていませんね~、古いギターって木ねじでピックガードを止めていますが昔って両面テープとか未だ無かったんでしょうか…。

これもアイロンで温めてクランプで挟んで平らにして良い感じに取付け出来ました。

浮いていたブリッジも専用の治具できっちり接着しまして、浮いたネックヒールはボディエンドまで伸びる長いクランプで挟んでしっかり接着しましました。

(ナット付け替えた写真を撮るのを忘れていましたが、元々20ミリ位高さのある牛骨のナットを提供して頂いてて元のナットと同じ高さ13ミリにして作り替えました)


こちらも年代にしては奇麗な状態で、オールマホガニーでバインディングがロープ柄でお洒落でギターだったら結構な価値があるみたいですけど、なんせ需要の無いラップスチールギターでネックが角材のような真四角な形状ですので普通には弾けませんけど好きな人には堪らない価値のあるものだと思います。

ここまで3本を再生出来まして、残るは最後の1本、これが一番の厄介な代物でボディが裏表割れがありまして、またの次回に紹介させていただきますね~。

次回へ続く!








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