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NO.167 ギブソン サザンジャンボ

ボディ表面の傷補修のご依頼を頂きました、K様よりギブソン・サザンジャンボをお預かりしましたので紹介します。

とても奇麗なブラウンサンバーストのかっこいいサザンジャンボですが、ボディ下部に10センチ弱の傷をなんとかして欲しいとのご依頼でオーナー様曰く、何時付いた傷かわからないとのことでとても大切にしているようなので私も愛情を込めましてなんとか奇麗な状態にしてあげたいと、いつも以上にリペアー魂に火が付いたサザンジャンボとの出会いでありました。

(いつもは手を抜いているという訳ではございませんが、気持ち的な問題だけでございます…)

幸いに傷の状態は木部までいっている感じではなくて塗装面だけのようだったので、傷周辺にテーピングを施しましてクリアーラッカーを3度程塗り重ねましてその後、盛った塗装面を耐水ペーパーで表面を慣らして段差がなくなるように何度も研磨しまして、その後何時間も掛けましてひたすらにコンパウンドを塗布して主に手で無心に磨き上げて、途中でポリッシャーも使いながら最後はやはり手磨きで元の傷がわからなくなるレベルに磨き上げました。(こういった作業をやっているといつも無の境地になるというか自分でいうのもなんなんですが命を削ってやっている感があるというか手間を掛けるだけ奇麗になっていくのでやった分のやり甲斐感はある作業です)

作業内容的にはこれだけなんですが、最近ちょくちょくこのような傷補修をやらせていただいておりますが、高級なギター程傷が付くと気になってしまいますが個人的には少々の傷も気にしないで弾きこまれたギターの方が何故かかっこいいと思ってしまったりします。


人間も同様に年を重ねるごとに皺ができたり、躰のあちこちにガタが来てそれなりの年をとりつつも若い時のように体力的には無理は出来ませんが、経験や知恵を使いながらいい年の取り方をしたいものだと思います。

傷が癒えたサザンジャンボは元々とても弾きやすい状態に調整されていまして、ギブソンらしい迫力のある鳴りで息を吹き返したようになって輝きを戻しました。

オーナー様にお渡しして奇麗になったサザンジャンボを見てとても喜んで頂き、私も自分の事のように嬉しい気持ちになりました。

どうぞ、これからもこのサザンジャンボを大切にして頂き、弾き倒して可愛がってあげてくださいませ。ご依頼いただきありがとうございました。




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