オーナー様も何のモデル名かよく判らないと言う物凄く貫禄のあるギブソンのたぶんLG-2がやって来ました!
全身傷だらけ、満身創痍の凄い状態ですが激渋なルックスのギブソンのたぶんLG-2でございます。(ボディ内部のラベルが剥がされていてモデル名判りませんが、ラダーブレージング:LG-1ではなくてXブレーシングなのでLG-2かと…)
オーナーのTさんはkanikoosen(カニコーセン)という名前で音楽活動をされていて元々は奥さん(ベース担当)とのお二人のユニットで今は奥さんが忙しくなりおひとりでライブ等で活躍されていて、今回このギブソン君にピップアップの取付け、全体的な修理、フレット交換のフルコース状態のご依頼を頂きました。
聞くと近々ライブで使うという事で日程的にフレット交換は後日という事でライブ後にフレット交換をやりましょうという事で今回はそれ以外の修理をやっていきます。
4弦のペグが歪んでいるとの事で、純正であろう古びた(失礼、味のある)オリジナルの3連ペグを分解しまして、歪んでいたプレートとシャフトを真っすぐに修正しました。
外観も凄い状態なのですがボディ内部の力木を診てみますと殆どの箇所で何らかの剥がれがあって、合計7カ所の再接着を施してこの作業だけで3日間ほど掛かってしまいました。
正直、この状態でよく弾けていたなー(しかもライブで!)と思うほどひどい状態でした⁉
全体の修理が終わり次にピックアップ取付けを行ないます。
ボディエンドにアウトプットジャック用の12ミリの穴を開けて、スカイソニックT-902ピックアップを取付けました。
オーナー様のご要望でライブ中に頻繁にボディエンドのストラップを外すのでシールドを挿すとストラップが外せなくなるので、ジャックは別の場所に取付け出来ないか?との事でして、考えて丁度良いものがあってエンドピンジャックに取付けてストラップをずらして取付け出来るアダプターをアマゾンで見つけてこれにしましょう!ということで何とかご要望に応えることが出来ました。
オーナーのTさんとはギターの事以外にプライベートのことで私と似た境遇であったことから初対面だったのに、色々とお互いの深~い話をさせて頂いてとても共感することがあってTさんのとても人間味のある音楽とお人柄に惹かれるものがあって思わずTさんのファンになってしまいました。
Tさんにカニコーセンってあの小林多喜二さんの蟹工船!?僕も読みましたけどなんでカニコーセンなんですか?と聞くと、奥さんとのユニットなので紙風船からもじってカニコーセンにしたとの命名のエピソードも教えて頂きました。
修理後のLG-2は本来のギブソンらしい張りのある鳴りを取り戻して、オーナー様にもとても鳴りが良くなったと喜んで頂きました。
明日、11月13日(金)和歌山のライブで復活したLG-2をかき鳴らすTさんの姿を想像しながら、次回のフレット交換でこのLG-2に再会できることを楽しみにしております!
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