- guitarportkobecom
NO.120 フェルナンデス ストラトタイプ
更新日:2020年9月18日
ギルドD-140、ゴダンに続いてU様よりかなり年期の入ったフェルナンデスのストラト修理のご依頼を頂きました。
ヘッドのフェルナンデスのFのマークが石の字に見えることから石ロゴと言われる個体で型式は不明です。
石ロゴ期は70年代後半から80年代までと言われていて製造元はカワイ製か東海製らしく中でも東海製の個体の方が良いらしいですがどちら製かはわかりません。
40年以上経過したボディやピックアップカバー、コントロールノブは元のホワイトがやけてアイボリーに変色しています。(何故かピックガードは白さを維持しています)
金属パーツもかなりくすんでいて厄介な感じです。
症状的にはネックの順反り、アンプを通した時のガリ等で幸い各ピックアップの出力は出ていたので何とかなりそうな感じです。
先ず年期の入ったくすんだ金属パーツを全て取り外します。
youtube動画のジャンクギター再生動画を参考にさせてもらいまして、こういった場合はクエン酸洗浄すると錆くすみが落ちるみたいでしたので百均でクエン酸や重曹を買ってきまして、やってみました。
クエン酸は熱湯で適量を溶かして金属パーツ、プラパーツを半日ほど漬け込みました。
洗浄液に漬けてしばらくしてから錆びた箇所からブツブツと泡が出てきて化学反応を起こしはじめました。(この時、ガスが発生しますので屋外に移動して、マスク・ゴーグル着用で作業します)
この間にネックをボディから外して順反りの修正をしておきます。(いつものようにロッドのナットに潤滑材を塗って優しくロッドを調整します)
ついでにフレットもピカールで奇麗に磨き上げます。
時々金属パーツの汚れの取れ具合を確認しながら、洗浄液を混ぜたりしながら4,5時間後に取り出して確認しますとくすみが大方とれていて効果テキメンでした。
その後、全てのパーツ(ビス1本に至るまで)をピカールで更に磨いて輝きを復活させていきます。(1日目の作業完了)
翌日、磨き上げた角パーツを組み上げていきます。(ただひとつだけ、ピッアップカバーとコントロールノブはその後重曹を溶かした液や漂白剤に漬けたりしましたが黄ばみというか変色した部分は洗浄前とさほど変わらない状態でした)
あと失敗したことがひとつありました。(ボリュームとトーンノブを取付けようとした所、固定ナットのネジ山が洗浄により溶けて摩耗してしまい使い物にならなくなりました)
予備を持っていなかったので在庫のエレキのパーツを外して賄う羽目になりました。
次回からはこのパーツは洗浄しないようにします。(まあノブを付けると見えない箇所なので洗浄しなくていいっしょ)
ピックガードの裏全面にアルミテープを貼り付けてプチノイズ対策を施しておきます。
無事全てのパーツを組み付けが完了しましてアンプにつないで音出ししますと、前日に入念に接点復活材を各接点部分に吹き付けて接点部分を何回も動かしてなじませた効果がでてガリノイズも消えて外観、サウンド共に輝きを取り戻し復活したフェルナンデスストラトのリペアーが完了しました。
今回の作業で初めてクエン酸洗浄をやりましたが、とても効果がありその後の磨き上げも楽に行えてやってよかったなと思いました。(もしご自身でされる際は屋外作業、保護具着用で安全な作業環境で実施して下さい)
オーナー様にお渡ししまして復活したフェルナンデスストラトを手にしてこんなに奇麗になるんやと喜んで頂き私も嬉しくなりました。
後日、ご来店頂いた古くからのバンド仲間のFさんから、オーナー様のUさんの話しをされて、Uさんってあの有名な鉄板○○の介やねんって知らされましてビックリしました‼️〔あの神戸マラソンで派手な格好でコテを叩いて応援してる人やん!)
え〜っ!マジですか!全然わからんかったです〜〔でも初対面からとても個性的でちょいワルなおじさんやなぁと思ってました)
なんか、伊達直人が実はタイガーマスクだったのを知ってしまったみたいな感じがしました⁉️
改めて、鉄板○○の介さんの画像を検索してみましたが、サングラス掛けてるし言われんかったら絶対にわからんかったです。
言うてるFさんも、結構な有名人さんですけど⁉️
そんなコテの介じゃなくて、Uさんは状態が悪いエレキがあるとの事でボチボチと持って来て頂けるそうなのでどんな子が来るのか楽しみにしておきます。〔せーの!、イイネ!🤙)
今日の一言
ストラト(タイプ)って触ってみるといつも思うんですが、非常に考え抜かれた構造で楽器としてはもちろんのこと、工業製品としても完成されたものでエレキギターの一つの完成形であると改めて感じました。レオ・フェンダーって天才ですね!