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NO.115 ヤマハFG-152

以前に当店にお友達3人とお立ち寄りいただいておりましたご婦人のKさんにヤマハFG-152の弦高が高く弾きにくいので調整して欲しいとのご依頼を頂きました。

ボディ内部のシリアルナンバー80522ということで1978年製の42年物のオレンジラベルで余り弾かれていなかったのでしょうかとても綺麗なFG-152ですが弦高が高く(6弦12fで約5ミリ)ネックも順反りしております。

弦も古くよく見ると1~3弦が逆向きで巻かれている時々見掛けるアルアルでした(笑)

サドルの高さが結構削り代があるのでサドル調整とネック調整である程度弦高を下げれそうです。先日弦高調整したギブソンJ-45DELUXEの時と同じような症状で当時のアコギはネックの仕込み角度が少なく元々の弦高も3ミリ以上でネックが順反ると弦高がこのような状態になっている場合が多く見受けられます。

サドル調整とネック調整でなんとか3ミリ(6弦12f)にはなりました(これもギブソンJ-45DELUXEの時と同じような感じです)

ネック調整でトラスロッドを締めこむ際に一旦ナットを外してグリスを塗り込んでロッドのボルトのネジに負担を少なくするようにします(いきなりトラスロッドのナットを締めこんでロッド折れのリスクを軽減出来ます)

ボディ同様、ペグも奇麗でしたが一旦取り外して分解清掃、グリスアップ、フレット磨き、もちろんボディ内部も奇麗に埃を除去しておきます。

弦高をもう少し下げたいのでネックアイロンを施しましたが、施工後弦高を確認すると実施前と余り変わらず、もう一度ネックアイロンを施し結果的に2.5ミリ(6弦12f)に出来て弾きやすい状態になりました。

ネックアイロンを実施することによって実施前、弦高3ミリでかなりロッドを締めこんだ状態でしたがアイロン実施後、弦高2.5ミリでロッドを緩めた状態になり今後のネック反りに対応出来るようになりました。

今まで何回もこのような高くなった弦高調整をやってきまして何となくこのような感じでやればこれくらいの弦高になる事が経験的に解っていましたが以前のギブソンJ-45DELUXEの時と似た状態でサドル高さに余裕(1ミリ程度削り代ある)があってトラスロッドの締め代がある場合の弦高調整のツボが感覚的なものから確信に変った感じが持てました。

今回のように弦高を下げれた事例はあくまでサドル高さとロッドの締め代に余裕がある場合で、更に状態が悪い場合はネックを取り外してネックリセットを施さないといけない事になるわけですが、当然リペアー費用が高額になり場合によってはギターが買えてしまうということになりかねません。

以上のようなことからネックリセットは最終手段としてギターの状態を確認しつつ、なるべくリーズナブルな方法で弦高調整を実施していきますので古いアコギで弦高が高くて弾きにくい状態でお困りの方は是非ご相談下さい。(ネックアイロンの場合ネックリセットの1/10程度5000円~実施致します)

弾きやすくなったFG-152はオレンジラベルの高音が奇麗なシャリーンとした鳴りでスリーフィンガーで弾くとしっくりきて、昭和のフォークソングを口ずさんでみたくなる弾き心地でフォークサイスのコンパクトでくびれたボディが躰にしっくりとなじんで弾いていてとても楽しい感じがします。

掲載はしておりませんが、つい最近打痕修理のご依頼を頂きまして傷修復にハマってこのFG-152にもボディ表面とヘッドの角に小さな打痕があってせっかく奇麗な個体なのでサービスで目立たないようにしまして磨きあげますと我ながらとても40年以上経過したアコギには見えない輝いているFG-152がとても可愛くなってきました。

仕上がったFG-152をKさんにお渡ししとても奇麗になったFG-152を観て大変喜んで頂き頑張って磨き上げた甲斐がありました。

ワンオーナーでご購入依頼あまり弾いていない状態で時々娘さんが弾いたりしていたとの事でしたが弾きやすくなったFG-152でギターを再開して末永く可愛がってあげてください。

今日の一言

国産の古い低価格帯のアコギは弾き易く調整すれば合板のでもとても良く鳴る個体が多いのでリーズナブルで味わいがあって私の大好物でございます。(せーの!いいね!🤙)

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